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【耐久性レビュー】Adidas ADIZERO SL, 700km

2024年7月3日

Doktor Nakano (@DoktorNakano)です。

2022年12月に購入したAdidasのADIZERO SL(アディゼロ SL)で走った距離が700kmを突破したので耐久性レビューをしていきます。

結論としては700km走った時点ではアッパーは非常に耐久性はありました。一方でミッドソールはクッション性とアウトソールの摩耗具合から700kmを超えて引退させることにしました。

ADIZERO SLを履いて700km走った個人的な感想とシューズの状態を見ていきたいと思います。

シューズレビューの詳細については500km時点の耐久性レビューの記事に記載していますので合わせて参考になればと思います。

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以下のスポーツショップからも購入可能です。

ADIZERO SLのスペック

「日本人ランナーに最高のフィット感を提供する」をコンセプトに、Adidasがランナーに向けてレースからトレーニングまで向けて開発したランニングシューズシリーズであるAdizeroの中でも、ADIZERO SLはデイリートレーナーと呼ばれる主にジョグに用いられるシューズになります。移動用、ジョギング、テンポ走など普段履きから、トレーニングでも、はたまた6~7分/kmくらいのスピードのファンラン、ビギナーの方にはレースにもでも使用できる万能シューズです。

ADIZERO SLのスペックです。

ADIZERO SLの基本スペック

  • 重さ:約230g (25.5cm)
  • ドロップ:8.5 mm(ヒール:33 mm/前足部:24.5 mm)
  • リサイクル素材を採用したエンジニアードメッシュ
  • ミッドソール:LIGHTSTRIKE EVA & LIGHTSTRIKE PRO
  • ハイグリッドラーバーアウトソール
  • 用途:ジョグ〜レース
  • カラーバリエーション:レディース 7色、メンズ 11色(メンズはオールブラックモデルあり)
  • 価格:¥14,300(税込)

デイリートレーナーモデルと言われるシューズの中では軽いのが特徴だと思います。

また、ADIOS Pro 3やTakumisen 9や10などのエリートモデルでも採用されている軽量かつ反発弾性に優れたAdidasの最上位ミッドソールであるRIGHTSTRIKE PROが前足部全面に埋め込まれていおり、スピードを出した時の前足部での着地時に反発を感じるのも大きな特徴です。

このミッドソールの特徴によりジョグ、テンポ走、インターバル、レースまで幅広いシーンに対応できるモデルとなっています。

よく比較されるNike Pegusus 40は同じ25.5cmで260gですので、履いてすぐに軽さがわかると思います。

私はスポーツゼビオで発売間もない頃でしたが、12,000円ほどで購入しました。

 

サイズ感

私の足の実測が25cmで、基本となるサイズは25.5〜26cmです。

ADIZERO SLでは25.5cmを履いています。

スポーツ点でフィッティングをしたうえで購入したのですが、少し小さかったかなと感じています。26.0cmのほうが良かったかなと感じています。

Adidasは大きいイメージがあるメーカーですが、ADIZERO SLについては全体的にタイトめな印象です。私は足幅は狭いので幅は25.5cmでフィットしていると思いますが、長さが短く、親指があたっている感じがします。

ADIZERO SLを履くときは、厚手のランニングソックスだとより窮屈に感じてしまうため、薄めのランニングソックスを履くようにしています。

サイズ感の参考のため、他のメーカーのシューズではNike Pesusus 40では25.5cm, On Cloudflow3では25.5cm、Hoka BONDAI 8では26.0cmを履いています。

いずれのシューズも親指から半指くらいは余裕がありストレスはない状態で履いています。

ただ実際にお店に行かれて試し履きをされることをおすすめします。

 

Doktor Nakanoの使用用途

私は主に以下の用途でADIZERO SLを使用しています。

  • ジョギング
  • ウインドウスプリント(100m~200mの流し)
  • 20分間閾値走

もっぱら家の周りのアスファルトやブロックが敷かれた歩道を走っています。

 

満足度

ADIZERO SLで700km走った時点での満足度です。

(3.5 / 5.0)

600kmのときの評価より0.5あがりました。0.5を上げた理由は、600km以上走ったあとから20分間の閾値走を取り入れはじめて、Adizero SLで走るとCloudboardというナイロンプレートが入っているCloudflow3に比べて反発を感じ、5~10秒設定より早く走れたためです。

ただ、依然として全体的に評価が低くなっている大きな要因はサイズ感もゼロではないのですがそれは私のチョイスミスですので、私の中でフィーリングがしっくり来ていない点を記載します。

ミッドソールに採用されているLIGHTSTRIKE EVAが私には少し硬く感じ、かつヒールの外側部分が削れているソール形状となっているため少し安定感がないように感じます。

(このヒールのEVAの感覚が逆に安定感があると感じるランナーの方もいるようです。もしかしたら、Adios Pro3やTakumiseと比較した場合かもしれません。その点はAdios Pro3やTakumisenを履いたことが私自身ないためレビューできていない点ご容赦ください。)

Adizeroの中では比較的安定感があるモデルとなっておりますが、普段同じようにジョグなどのデイリートレーナーとして使用しているNike Pegusus 40やHoka Bondi 8と比較すると安定感がないように感じます。

そのためか10km程度走る際に、下り坂などのコースがあると膝に少し痛みを感じるときがあります。その他のシューズでは同じ距離でも感じません。サイズ感がどれほど影響しているかは不明ですが。。

一方、軽さを非常に感じるデイリートレーナーで、自然とスピードが上がる感じで楽しいシューズだと思います。さらに、前足部に埋め込まれていて、同じAdizeroシリーズAdios Pro 3やTakumisen 10などにも採用されている高反発ソールであるRIGHTSTRIKE PROの反発によるポンポン弾む感じもあいまって他のデイリートレーナーにはない楽しさはあります。

さらに、ウインドウスプリントなどの短距離のスピード走ではよりRIGHTSTRIKE PROの反発を感じられますので、カーボンプレートがない状態で100m~400m程度の短い距離のトレーニングをしたい方にはおすすめだと思います。

また、「日本人ランナーに最高のフィット感を提供する」というコンセプトだけあり、0.01mm単位まで拘られているマイクロフィットラスト(足型)とエンジニアードメッシュのお陰でフィット感はとてもいいと感じています。

 

Doktor Nakanoの基本情報

シューズの耐久性をレビューする上で、個人の体格や走力はシューズの耐久性に影響すると思いますので私の公開できる範囲での情報も参考情報として出しておきたい思います。

Doktor Nakanoの基本情報

  • 身長:166cm
  • 体重:56kg
  • マラソン PB:3時間38分33秒(ネットタイム、大阪・淀川市民マラソン、使用シューズ:NIke, PEGASUS 40)

 

700km時のADIZERO SLの状態

それでは実際に700km以上走ったときの ADIZERO SLの状態を見ていきたいと思います。

ちなみに履いた総時間は67時間07分です。

アッパー

700kmも走っておりますので、汚れはありますが、700km走っても、左右ともに親指部分、小指部分も含めて全体的にアッパーにヤブレや裂けなどは全くない状態です。

アッパーの耐久性は非常に高いです。

写真にある通り、アッパーのつま先部分がプラスチックまたはラバーコーティングされている効果が大きいのではないかと思います。

また先端もソールが剥がれきてもいない状態です。

 

ミッドソール

【左足:外側】

【左足:内側】

【右足:外側】

【右足:内側】

700km以上走っていますので、ミッドソールのクッションは汚れはあり、外側のかかと部分はちょうどクッションが潰れるところに汚れの線が見えます。

また、アップ写真を見るとミッドソール部分に全体的にシワは見えますが、クッショニング感は新品の時と比べると全体的に70~80%くらいまで落ちてきているように感じます。

特に前足部のほうがよりクッショニングのヘタリ感は出てきているように感じます。

ジョグを行うには十分なクッショニング感はあると思いますが、クッショニングが落ちてきているのは確かで下記の新品の頃と比べるとシワも多くなっているため、今回引退させるに至りました。

【購入直後の左足を横からみた写真】

 

履き口・シュータン

次に履き口とシュータンです。

足首外側のクッション部分が少し擦れてきていますが、全体的にはシュータンやかかと周りのクッションもまだ大きな破れはない状態です。

シューレースも破れなどなく700km走ってもまだまだ大丈夫で、丈夫に作られています。

インソールは、「ADIZERO」文字のプリントがありましたが、こちらのプリントは100km程度ですぐに剥がれました。

ただ、インソール自体も大きな破れはまだありません。

 

ヒールカウンター

次にヒールカウンター部分です。

ADIZEROシリーズすべて採用されているテーピングのようなストラップのお陰もあると思いますが、ヒール部分の崩れは見られません。

またかかと部分のミッドソールは、外側があらかじめ削られた形状となっているため700km走っても削れていません。

ただミッドソール部分は全体的にシワが見受けられます。

感想の部分で前述しましたように、この外側の削れた形状が安定を感じにくいと個人的に感じています。

 

アウトソール

最後にアウトソールです。

【左足:フォアフット部分】

【左足:ヒール部分】

【右足:フォアフット部分】

【右足:ヒール部分】

【使用前との比較】

ちなみに新品の時の写真を撮っていませんでしたので、Adidas HPより引用しています。

引用:Adidas HP

私はミッドフットからフォアフット気味の着地のためか、アウトソールは左右ともにフォアフットの親指から小指にかけての指球の中心あたりの緑色のラバーのグリップラインが600k時点からさらに、また新品と比べるとだいぶ削れています。

また、特に右足かかと外側部分のピンク色とのラバーは大きくけずれてきています。

小雨や雨上がりの濡れたアスファルトを走っても、まだスリップする感覚はありませんので、まだ履ける状態ではあると思いますが、真ん中のLightStrike Proが見えている縦の切れ込み部分のミッドソールが左右ともに削れてきていますので、一番着地して地面の衝撃を受け止めてくれているところが削れてており、本来のクッション性からは落ちていると思われますので、引退させるにいたりました。

 

総評

Adidas ADIZERO SLの700km走った時点での耐久性レビューをしてきました。

正直サイズ感のためか700km走っても、デイリートレーナーとして使用したい私にはハマっていないなと感じています。

私の走力がADIZERO SLに追いついていないだけの場合もありますし、私の個人のトレーニングの使用用途が合っていないのかもしれません。

今回ミッドソールの潰れや削れ具合から引退させるに至りました。

アッパーはまだまだ耐久性はありますが、一番地面と接する部分のアウトソールとミッドソールの削れが大きくなったことから、本来のクッション性能が低下していると思いまして、怪我の予防の観点からも引退させることにしました。

記録上ちょうど707km走って数値がいいと思ったためになります。

人によってはまだまだ走れる状態ではないかと思われますが、体格や走り方により摩耗具合は異なりますので参考程度にしていただきたいと思います。

また、もっとアウトソールが全体的に削れてきたりアッパーが破けない限りは引退させない方もいると存じますが、そのぐらいの状態となりますとおそらく新品のときからは大きくかけ離れて性能が低下していると思われますので、足や体に怪我につながる恐れがあると判断しまして、お見せした状態での引退としました。

それでも700kmは走りましたのでデイリートレーナーモデルとしての耐久性は十分にあるのではないかと思いました。

何より、軽くてポンポン感を感じられるシューズで値段も手頃でカラーバリエーションも11色もあり豊富ですので、初めてのランニングシューズの方にはおすすめの一足になります。

2024年6月には後継のAdizero SL2も発売されました。評判ではSL1とは全く違ったメジャーアップデート板とのことで、カラーバリエーションが増えたら購入を検討しようと思っています。

SL1もSL2も以下のスポーツショップからも購入可能です。

Doktor Nakano

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  • この記事を書いた人

Doktor Nakano

島根県産まれ。 東大大学院で博士号を取得。スウェーデン・アメリカへ研究留学後、製薬企業にて開発業務に従事中。 東大大学院入学・ビジネス・本レビュー・ランニング・マラソンを中心に情報を発信しています。マラソンPB:3時間38分33秒(ネットタイム、2023大坂・淀川市民マラソン)

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