この記事を書いた人
Doktor Nakano
成蹊大学から東京大学大学院農学生命科学研究科へ進学。
同研究科博士後期まで進学し博士号取得(農学博士)。
ポスドクとして海外留学後、日本に帰国しバイオベンチャーにて再生医薬品開発に従事中。
中堅私大から東大大学院へ進学できた私の試験対策や進学後の大学院生活についてお伝えいたします。
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私のブログが一人でも多くの方の夢や目標を叶える一助になれば幸いです。
東大をはじめ大学院入学についてご質問がある方は、ツイッター@DoktorNakanoまたはこちらよりお問い合わせください。
注意
本記事は、私Doktror Nakanoの経験と独自に調べた内容となっておりますことご了承ください。誤情報がないように最新の注意は払っておりますが、万が一記載内容から皆様が不利益を被られましも一切の責任は負えませんこと重ねてご了承ください。
読者の皆様の全てのケースに当てはまる内容ではないため、各位の状況に応じまして情報を調べて頂けますと幸いです。
こんな方におすすめ
- 研究に役立つ参考書を知りたい。
- 英語投稿論文を書こうと思っているが、なにかいい参考書がないか探している方。
- 海外の学会でプレゼンを行うことになったが、なにか参考になる本を探している方。
研究をしていくなかで、いろいろと課題に直面することはあるかと思います。
そのようなときに、私が実際に参考にした本を紹介します。
研究生活に役立つ参考書
まずは、研究生活をサバイバルしていくために参考となる本を紹介します。
理系のための研究生活ガイド
慶応大学医学部教授で眼科医の坪田先生が書かれた著書です。
研究をビジネスにつなげようとされている方としても著名ですな先生です。
この本は、博士号を出て、「海外留学」、「科学研究費獲得」など研究者として通る道を経験談を踏まえて書かれた本です。
ただ、大学生や大学院生にも「研究者となるための8つのチェックポイント」「研究者のための「超」読書術」「研究者のための英語習得6つの必勝法」「研究者のための知的時間管理術」などの章は大変参考になると思い舞います。
実験に役立つ参考書
つぎに実験を行っていく上で、いろいろなトラブルに直面すると思いますが、その解決のヒントを与えてくれる本の紹介です。
私が特に参考にしていたのは、医学・生命科学系の学生では知らない人はいない、医学・生命科学系教科書や参考書を多く出版している羊土社が出しているQ&Aシリーズです。
各分野の専門家が、基本的なことから疑問に答えてくれます。
【実験法Q&Aシリーズ】バイオ実験トラ物解決基本Q&A
例えば、「プラスミドの入った大腸菌を入手し培養したのですが、菌が生えてきませんでした。どうしてでしょうか?」などよくある実験の失敗などについて、その解決策や解決のためのヒントをを与えてくれています。
【実験法Q&Aシリーズ】マウス・ラットなるほどQ&A
こちらも羊土社のQ&Aシリーズです。
マウスやラットなどの実験動物を扱う研究の人は必読書となっています。
「疾患モデルマウス、ラットとはどんな動物ですか?」
「SPF動物とは何ですか?」
など基本的ことから教えてくれます。
【実験法Q&Aシリーズ】顕微鏡活用なるほどQ&A
こちらも羊土社のQ&Aシリーズです。
実験にはかかせない顕微鏡に関するQ&A集です。
「顕微鏡の種類と使い分けについて教えて下さい。それぞれどんな実験向いているのですか?」など基本的な質問に答えてくれます。
顕微鏡は実験に欠かせない大事なツールです。みなさんの実験の実証・証明に欠かせないもので、写真の見栄えは皆さんの研究結果に大きな影響を与えると思います。
ぜひ参考にしてもらいたいと思います。
【実験法Q&Aシリーズ】細胞培養なるほどQ&A
こちらも羊土社のQ&Aシリーズです。
細胞培養を行う学生にとっては必読の本だと思います。
特に、細胞培養を初めて行う学生や研究者の方にオススメです。
この本は廃版となっているため、中古のみ購入可能です。
英語論文執筆に役立つ参考書
次は、英語論文を執筆する際に私が実際に参考にした本を紹介します。
科学英語論文の赤ペン添削講座
著書で東工大教授の山口雄輝教授がこの本を執筆すると決意された理由が、「学生がきちんとした論文をかいてくれれば、自分はデスクワークよりもベンチワークにもっと時間を避けるのではないかと夢想(妄想?)」したためだそうです。
この本ではまず論文を書くために大切な論文を書くための9つのルール(1つのパラグラフでは1つのトピックだけを述べるなど)や7つのポイント(時制の使い分け方など)を紹介した上で、実際の例文添削事例が載っています。
私の恩師が論文を書くときにススメてくださり、論文を1文、1パラグラフ書くごとにこの参考書を読んでいました。
この本は英語論文用に書かれていますが、英語日本語問わず、技術的で論理的な文を書くときに非常に参考になると思います。
この本は廃版となっているため、中古のみ購入可能ですが、非常にオススメです。
論文を書くための英作文&用例
こちらも大変参考にしていた本になります。
時制や受動態など日本人が間違えやすい英作文のポイントが書かれています。
また、「著者・論文を主語にする文」「研究結果を主語にする文」など主語別に様々な類語を用いた例文が多く載っています。
よく、「英作文は英借文」と言われますが、単語や少しのアレンジで自分の英文を作成することができます。
この本も、1文1パラグラフ書くごとに参考にしていました。
類語使い分け辞典
こちらは、論文で使われる名詞や動詞などの類語が多く載っています。
この本が優れているのは、コーバスと呼ばれる言語データベースで各単語ごとに使用頻度や使われる用法も載っており、より適した単語の用法を知ることができます。
例えば、「知られている/認められている」という単語は以下5つあり、その用例数と各単語の使用例数が載っています。
単語 | 用例数 | 用法 | 用例数 |
know | 17705 |
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learn | 678 |
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appreciate | 196 |
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accept | 945 |
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understand | 6542 |
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このような表を参考にすることで、よく使われている単語を使用したり、少し文にアクセントを入れたいときは使用頻度が少ないが使われている文を選ぶなどができます。
みなさんが普段使う単語はほぼ網羅されています。
皆さんの机に必ず置きましょう!
学会発表・プレゼンに役立つ参考書
最後に、国内外の学会や修士論文・博士論文発表などプレゼンテーションに役立つ参考書をご紹介します。
日本人研究者のための絶対できる英語プレゼンテーション
日本人のために書かれた本で、実際のスライド例を使いながらスライドのレイアウトや、スクリプト(セリフ)例が載っており、非常に実用的な本となっています。
特に、セリフの言い回しなどは参考になり、私も英文例を拝借しながら、英語発表プレゼンを用意しました。
国際学会English 挨拶・口演・発表・質問・座長進行
こちらは、学会での口頭発表の際に使えるフレーズ集です。
例えば、座長に紹介して頂いた際の冒頭の挨拶では、以下のようにいくつかのフレーズ例が載っています。
フレーズ例
"本日は、口演する機会をいただけて大変光栄です。"
- It is a great honor to be able to speak to you today.
- It gives me great pleasure to speak to you today.
- I'm very happy to be able to talk to you today.
- I'm very pleased to have this opportunity to speak to you today.
日本語の一つのフレーズに対していくつかの英文フレーズが載っており、場面や好みなどによって使い分けられます。
そのまま自分のセリフとして使える例が多く載っています。
理系のための口頭発表術
こちらも口頭発表の際に参考になる本で、口頭発表の心得、話し方、質疑応答時の対応の仕方、発表スライドの作成の心得など幅広く口頭発表の注意点を紹介してくれています。
例えば、話し方では、
「聴衆と目を合わせろ」「役者のように振る舞え」
などの心得を伝えています。
まとめ
私が実際に研究をしていく中で参考にした本たちを紹介してきました。
どの参考書も多くが3000~4000円と本としては高いので、実験系の本は、おそらく図書館やみなさんが所属する研究室や教授、先輩含めどなたか持っている可能性があるので借りて読むのがいいと思います。
英語論文執筆に関する参考書は、毎回参考にすると思うので、常に自分の机にあったほうがよく、可能であれば買っておくことをオススメします。
多少の言い回しが時代によって変わる可能性はありますが、英文法は時が100年単位での変化なので、経っても古くなることはあまりありませんので、長く使える参考書だと思います。
英語発表系は、「日本人研究者のための絶対できる英語プレゼンテーション」はスライド例、発表例などイラストや写真とともに説明されているので、特にオススメです。
この一冊を持っていれば十分だと思います。
あと、有名ではありますが、英語学習でよく話題にあがるTEDも非常にオススメです。
科学的な発表が数多くあり、プレゼンテーションの英語フレーズや言い回し、発表者の身振り手振りなどはとても参考になります。
さすがに、ジョークを話すまではなかなか難しいですが、いつかはトライしてみたいですね。
出典:TED
この記事があなたの研究生活の一助になれば幸いです。
あなたの将来を切り開いて行ってください。
Doktor Nakano (@DoktorNakano)