こんな方におすすめの1冊
- 文章を書くのが苦手。
- 会社の人から文章についての指摘をよく受ける。
今回ご紹介する本は、阿部紘久著「文章力の基本 簡単だけど、誰も教えてくれない77のテクニック」です。
著者の阿部紘久さんは、東京大学を卒業後、帝人に入社され宣伝企画、国際事業企画、経営企画などに携わられ、繊維国際部長などを務められたあと、米国企業IT企業CEOを勤められました。
2005年から、昭和女子大学ライティング・サポート・センターで文章指導を行うかたわら、社会人も指導されています。
国際経験も豊からな阿部さんのご経験も踏まえ、ビジネスメールから手紙や貼り紙など幅広い文章に応用できる基本が書かれた本になっています。
悪い例といい例を比べながら、77のテクニックが説明されており、どれも新しいテクニックというのではなく、基本をしっかりと抑えられてまさに温故知新な一冊となっていると感じました。
結論|Take Home Message
この本が伝えたいメッセージ・結論は以下に集約されていると感じました。
本書での阿部紘久さんのコラムページからの抜粋となります。
Take home message
どうかあまり難しく考えないでください。文書を書くことは、とても楽しいことでもあります。そこには少なくとも3つの喜びがあります。
-
- 「表現する喜び」
- 「理解と共感を得る喜び」
- 「相手や組織や、ときには自分自身にも変化をもたらす喜び」
一般の人々に求められるのは、「自室関係」と「自分の考え」を、「簡潔・明瞭に伝える文章」です。それがたとえ業務上の分用であっても、的確な表現にたどり着いたときには上の3つの喜びを味わうことができます。
「明快な文章」は、読む人に好まれるばかりではなく、書く人にとってもとても快いものなのです。
「文書を書くことは楽しいこと」なんだと一番大切なことが根っこにあり、楽しんでもらうために、簡潔で明瞭な文書の書き方について教えてくれているんだなと感じることができました。
おすすめ度
(4.5 / 5.0)
77のテクニックの全てに例が記載されており、非常にわかりやすい本でとても良かったです。
あとは例を参考にしながらわかりやすい文書を書けるるようになるかは自分の日々の心がけ次第になりますので、この本を読んだだけではいきなり分かりやすい文書を書くことはできないということで、-0.5としました。
この本を出会ったキッカケ
Amazon Kindle Whitepaperを購入し、Kindle unlimitedで読めるようになっていたのがキッカケになります。
Doktor Nakanoの着目ポイント
本書では77のテクニックとなっておりますが、どれも言われてみれば当たり前なことばかりで斬新な物ではないと感じます。ただ、普段意識しないとできないことばかりで、インターネットやSNSなど情報過多で、圧倒的にアウトプットよりもインプットが多い現代にとってはとても参考になることばかりでした。
特に参考になると感じたテクニック
- 句点(。)を売って文章を短く言い切る勇気を持つ。
- 文章の幹〜誰(何)がどうしたのか〜を、まず明確に示す。
- 主役(主題)は、早く登場させる。
- いきなり核心に入る。
- カッコを閉じる前の句点は、省略する。
他にも多くテクニックが記載されていますが、どれも小学校から高校までの間に一度は聞いたことがあるような内容だと思います。
句読点の打ち方やカッコの使い方など見え方についてのテクニックも紹介されています。
文章力とは?
本書を読んで、なるほどと思った点は、「文章力」という物を学問的に捉えられていて具体的な考えが提示されていている点に大学で教鞭をとられている著者ならではだと感じました。
「文章力」の7つの要素
- よいテーマを見つける「着想力」
- テーマに関わるさまざまな事象に連想を広げる「連想力」
- その中で書くべきことを峻別する「優先順位の判断力」
- 書くべきことを「構造的に把握する力」(脈絡なしに言葉を並べても、読みては理解してくれない)
- そこに自分独自の考えを加える「創造性、独自性」
- 読み手の立場、心情、知識レベルなどを理解する「人間理解力」
- 言わんとすることを、読み手に伝わる簡潔・明瞭な言葉で表現する「言語表現力」
このように文章力を整理してみると、文章力は、問題発見能力、問題解決能力、業務遂行能力などと大きく重なり合うものであることが分かります。
上記3つの能力は、社会人では大切な力だと思いますし、文章力が苦手と感じる人は多いとは思いますが、テクニックを心がけて身につけることができれば、文章力は確実に手に入れられると思います。
まとめ
阿部紘久著「文章力の基本 簡単だけど、誰も教えてくれない77のテクニック」を紹介いたしました。
タイトル通り、学生生活を通して体系的に教えてもらった記憶がない文章を書くときのテクニックについて実例とともに紹介されており、デスクの手の届くところにおいて、都度例文を見るのにとてもいい参考書になると感じました。
私は小学校の読書感想文は親に怒られながら、泣きながら書いた記憶しかなく本を読むことは好きではありませんでした。
ましてや文章を書いて人に何かを伝えるというのは想像もつかなかったです。
ただ、阿部先生のおっしゃるとおり文章を書くことは楽しいんだよということはブロクを通して少しずつ理解できるようなってきました。
今後はもっと人に伝わるように分かりやすく気持ちのこもった文章を書いて行ければと思っております。
最後にこの本は、Kindle Paperwhiteを購入し、Amazonの Kindle unlimitedを利用することで出会うことができました。
月額980円(税込)で和書12万冊、洋書120万冊が読み放題なのは破格だと思います。
さらにKindle Paperwhiteを購入したことで月に4~5冊本を読めるようになりました。
Doktor Nakano (@DoktorNakano)